私と中国〈900〉

水墨画から日中文化交流へ

史(河北)志輝さん
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 日中友好協会は「日中水墨画研究会」の求めに応じ、中国大使館文化部と共に11月1日~6日に千葉県松戸市で開催される「第16回日中美術交流展」を後援する。
  史志輝さんは、1955年北京生まれ。中国画壇の重鎮である祖父の手ほどきで、幼い頃から水墨画を始めた。名門師範学校卒業後の就職先・北京放送局で美術・編集の仕事に従事。しかし祖父の影響で日本画壇の横山大観や河合玉堂の書画に親しむ生来の血が騒いだ。
  転機は1988年。安定した職場を辞して単身訪日を決意。「妻が当初猛反対。唯一離婚の危機でしたね」と今は懐かしむように笑う。神戸大学教育学部に入学し4年間美術を専攻。
  卒業後は大阪で美術品を扱う貿易商社に就職、上京後は中国系新聞社でカットや漫画まで手がけ、遅れて来日した妻や3人の子どもの生計を懸命に支えた。
  その間も水墨画の作品が中国内や国際美術展で何度も入賞、次第に名声を高めた。中国伝統の技法に日本の新しい技術を取り入れた力強い筆致と感動的な気魄が特徴と評価されている。
  現在は画業の傍ら、各地で水墨画教室を主宰し、作品展を精力的に開催している。
  還暦を真近にして今年7月「㈱中国文化」を立ち上げ、水墨画に留まらず幅広い分野で日中文化交流の橋渡し役をライフ・ワークにしたいと言う。
  今年8月、協会準会員になった際「難しい世相ですが健康に気を付けて日中友好のため頑張りましょう」とのメッセージを頂いた。
  日本国籍取得後の姓である河北(かわきた)は、父母の故郷である河北省に由来。(田中清咊)





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