
中国瀋陽出身の京劇俳優・劉妍さんは、残留日本人孤児の母と中国人の父をもつ残留孤児2世。
小さい時から踊りや歌が好きだった彼女は、小学校の教師を勤めていた母から勧められて11歳から京劇を学び始めた。ちょうど「文革」時に絶えていた伝統演劇が復活し始めたころだった。
瀋陽京劇院に入団後、みるみる才能を発揮、「扈家荘」「盗仙草」「覇王別姫」などで主役を演じ、遼寧省第1回コンテストで「最優秀演劇賞」を受賞している。
1990年、母が父や弟とともに日本に帰国、その2年後、彼女自身も家族と一緒に暮らすため、中国のファンに別れを告げて来日。
その時、母は「日本では京劇では生活ができないよ」と反対した。しかしいま、テレビ、舞台出演など、全国各地から引っ張りだこ、京劇で仕事ができて、とても幸せな人生だと思うと語る。
得意は、華麗で機敏な立ち回りだが、一瞬にして顔を変える「変面」も特技。かつて日本テレビで「中国の国家機密『変面』の秘密を撮れ」という番組に出演、スーパーカメラ6台を前に変面を披露、話題になったこともある。また、「西遊記」の劇中に変面を取り入れる独創も行なった。
今年2月には東京都連中野支部の新年会で変面を披露して喝采を博した。一方、国立北京京劇院出身の夫・劉東風さんと2人で、世界初の「双人変面」という、2人同時に変面する妙技を編み出した。
残留孤児2世という立場からも、京劇という中国の伝統文化を通じて日中の相互理解を進めたい気持ちは人一倍強い。将来、多くの人に京劇の楽しさを教える「京劇教室」をやってみたい夢をもつ。(K)
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