
昨年8月、長野県に住む和田登さんが、中国残留孤児の救出に生涯をかけた故・山本慈昭氏を題材にした「望郷の鐘」を出版した。山田さんは、これをヒントにして“残留孤児救出に生涯をかけた男”の映画化を着想した。和田さんがシナリオを執筆し、今年度中に完成をめざしている。
制作の大きな背景のひとつに「安倍・麻生氏などは戦争知らない。平気で軍国主義を煽(あお)るような発言をしている。ひとつでも多くの戦争の事実を残すことの大事さを痛感したから」だと言う。
ある年配者が「いまの若者は根性がない。徴兵制でもやったら」と平然と言ったことも「恐ろしいこと」と鳥肌が立つ思いを感じた。
さらに「日本の敗戦、東京大空襲、原爆投下などはほとんどの人が知っている。しかし、もう日本が負けることが分かっていた昭和20年(1945年)の5月1日に長野から、6月下旬に東京から開拓団が大勢送られているのですよ。『満州に行けば平和が待っている』という話に乗せられて。知らないということは恐ろしいことです。“戦争ができる国”へと歯車が動き始めているいま知らせるべきこと」と力を込める。
作品は「戦争を非戦闘員がどんな思いで受け止めるか。のんきな若者や子どもにも分かるような作品にしたい」と、意欲を燃やしている。
これまで映画監督で夫の故・山田典吾氏と共に「現代ぷろだくしょん」で多くの作品を手掛けてきた。典吾氏は「山下清物語・裸の大将放浪記」「はだしのゲン」などを制作した。火砂子監督作品としては「筆子・その愛」(常盤貴子主演)、「石井のおとうさんありがとう」(松平健主演)、「大地の詩」(村上弘明主演)などがある。
「映画の題名も配役も構想は出来ています」と語る一方で、「膨大な費用がかかります。制作基金協力券のお求めや以前の作品のDVDを販売しています。大きなご協力を」と呼びかけている。(宣)
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