
東京都大田区役所の委託で、週3回区内の糀谷・羽田地域に住む30世帯の中国帰国者の生活相談員をしている。持ち込まれる相談は多種、複雑である。
最も多いのは生活に直結する年金問題。例えば「新支援策で国民年金満額(6万6000円)が出るはずなのに、引かれている」。調べてみると、会社を解雇され、60歳から早めにもらった年金分を差し引かれていた。それを納得させるまで一苦労だ。
「配偶者年金」の相談も増えている。孤児も高齢となり「無年金の配偶者」が増えている。「今秋の臨時国会で成立の可能性があります。一緒に頑張りましょう」と励ます。
他にも言葉の問題や住宅、医療、2・3世の就労問題など次々と難題が持ち込まれる。
貴美子さん自身も帰国2世。1988年に母(残留孤児)の後を追って来日し、自動車部品工場、アパレル会社などに勤務しながら独学で日本語を覚えた。中国では、「文革」を体験、高校卒業後4年間下放(農場に派遣)を経験した。
そうした体験から、「2世など若い人はもっと自分で生きる気力や努力を尽くして欲しい」と苦言を呈することも。「自力で生きなければ厳しい現実に吹き飛ばされてしまう」という自身の体験から出た親切心からだ。
趣味は中国時代から好きだった「歌と踊り」。帰国者でつくる〝大海グループ〟の代表を務める。毎年の「中国帰国者まつり」に欠かさず参加し、大きく盛り上げている。
「2・3世が父や母の苦難の体験を語り継がなければ」とキチンと締めくくった。
(宣)