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協会創立70年にあたって
-日中両国民の願いを力に、運動の輪をさらに大きく

 日本中国友好協会は10月1日、創立70年の歴史的な節目を迎えました。日本軍国主義による中国侵略戦争に命を懸けて反対した反戦平和運動の歴史を受け継いだ日中友好運動の70年には様々な困難もありました。新中国成立後の日本政府による中国敵視政策のもとで、協会は政党政派を超えて新中国の国民との友好のために奮闘し、中国の「文化大革命」に端を発する大国主義干渉に対しては、日本国民による自主的な運動と文革の嵐に巻き込まれた中国の国民との友誼を守り抜きました。さらに、日中国交正常化以後も続いた協会と中国側との不正常な関係のもとでも、不再戦平和運動を柱にして、中国への理解と友好の心情を育む活動を繰り広げました。そして、この運動の広がりの中で中国側との不正常な関係に終止符が打たれ、協会は新たに友好交流活動を広げながら、靖国神社参拝や尖閣諸島問題をめぐって日中両国関係が極度に悪化する中でも、偏見や一面的な中国観を正し、日中両国民の相互理解と友好を促進する運動を力強く展開してきました。

 人間の生命と尊厳を奪い尽くす戦争の実態と教訓を語り伝える不再戦平和活動、日本が学んできた中国の歴史ある文化を通して理解を広げる文化活動、留学生をはじめとした在日中国人や中国現地の市民との交流を通して友好の心情を育む友好交流活動に加えて、協会はこれまでの枠を越えた幅広い国民各層との結びつきを強める新たな活動を推し進めています。とくにこの10数年の間には、尖閣諸島問題の話し合いによる平和的な解決を日中両政府に求める署名活動、中国人戦争被害者訴訟と「中国残留日本人孤児」訴訟の支援活動、中国人留学生などと一緒に街頭に立ち募金を呼びかけた四川大地震被災者支援活動、中国の伝統文化に親しむ京劇全国公演、幅広い年齢層が「理解は絆を強くする」との呼びかけに応えてくれている中国百科検定試験などの全国的な取り組みをはじめ、連合会・支部が全国各地で反戦平和と友好の大切さを訴える多彩な活動を繰り広げています。

 中国が米国と並ぶ大国となりつつある今、人権問題、香港問題をはじめとして、世界の厳しい目が中国に注がれ、大国としての役割と責任が求められるようになりました。この中で、日本と中国の力関係も変わろうとしています。しかし、国家や政治経済上の関係がどのように変化しようとも、国民レベルの友好を基礎とした日中両国の友好関係が重要であることに変わりはありません。日中両国はともに大きな課題を抱えています。そして、これを克服し、国民生活の向上と世界の平和と安定を願う国民レベルでの日々の努力が続けられています。この両国民の地道な努力こそが改革の力になることに確信を持ち、対等平等な立場で学び合い、ともに成長していく、未来を見据えた新たな関係を築いていくことが求められています。

 いま世界は、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、社会のあり方を大きく変えようとしています。この激動の中で、協会の70年の歩みの上に新たな発想を加えながら、これからの日中両国の架け橋となる担い手を増やし、日中友好運動の輪をさらに大きなものにしていく決意を新たにするものです。

2020年10月1日
日本中国友好協会




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