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遺族への誠意ある対応と「入管難民法改正案」の廃案、
入管行政の抜本的な見直しを強く求めます

内閣総理大臣 菅  義偉 殿
法務大臣   上川 陽子 殿

 今国会で審議されている「入管難民法改正案」は、難民認定の手続き中は強制送還が停止される従来の仕組みに例外を設け、3回目以降の申請では国外退去処分を可能にすることを柱としています。
 難民保護に当たる国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は4月、送還停止効の例外規定について、難民条約に違反する恐れがあるとして「重大な懸念」を表明しました。
 そもそも、国際的には日本の難民認定率の低さと入管施設での長期収容が問題とされています。
 この難民認定の問題を棚に上げ、長期収容問題を国外退去処分の導入で是正するかのような改定は、問題の解決に逆行するものです。
 3月には、名古屋市の出入国管理施設に収容されたスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが死亡する事件が起きましたが、遺族の真相究明の要求に政府は応じていません。
 外国人留学生と労働者の受け入れを拡大してきた日本が、外国人との「共生」を本気で目指しているのであれば、外国人の人権を重視し、支援する姿勢がなければなりません。
 「入管難民法改正案」はこの外国人の人権尊重とは相容れない、排除の論理が基本にあると言わざるを得ません。
 早急にウィシュマ・サンダマリさんの遺族に対して誠意をもって対応するとともに、「入管難民法改正案」は廃案とし、あらためて入管行政を抜本的に見直すことを強く求めるものです。

2021年5月18日
日本中国友好協会(会長 井上久士)




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