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私と日本〈67〉

李 原翔さん写真

東京学芸大学大学院 研究者
李 原翔さん

 

在日外国人の子どもに充実したサポートを

 年々深刻化する在日外国人の子どもたちへの教育の問題について、実態調査に取り組み、東京、神奈川の各地で外国人の教育相談や語学教育などのサポーターも務めています。
 08年の外国人登録者数は221万人余り(うち3割が中国人)。その6割以上が日本に永住もしくは定住し、日本語指導が必要な外国人児童生徒も2万8000人余りで、前年比12.5%の勢いで増えています。
 江蘇省出身の李さんは、日本人と結婚して来日し、2人の子どもを育てながら言葉や習慣の違いを乗り越えてきた経験から、同様の体験をもつ来日中国人の家庭に強い関心をもちました。
 「先に来日した親が、祖国に残してきた子を呼び寄せたため、来日が本人の意思でないケースが多いのです。学制の違いで日本の学校に編入できなかったり、編入できても日本語がわからず、授業についていけない。両親は仕事で多忙で、子どもたちは家庭や地域で温もりのある人間関係を築けず、孤立してしまいます」
 「何か自分にできることはないか」と始めた実態調査は、教育関係者との粘り強い対話を通じて1年あまり続き、学習会、講演会で問題提起する機会も増えてきました。
 「一部の学校や現場の教師、民間の支援団体が熱心に対応しているところもあります。しかし、行政がこうした子どもたちのサポート制度を充実させなければ。定住外国人の子どもたちは日本の将来にとって貴重な存在。地域社会がもっと彼らに関心をもってほしい」と語りました。(Z)

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