日中友好協会(日本中国友好協会)

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公式見解

「日本中国友好協会代表団」発表文
中国日本友好協会招待・「日中友好協会代表団」
の中国訪問について

一.日本中国友好協会(日中友好協会)は、3月11日から17日まで、中国日本友好協会(中日友好協会)の招待により代表団を中国に派遣した。代表団は、北京で中日友好協会役員と会談をおこなった。また、宋健中日友好協会会長(中国人民政治協商会議副主席)と会見した。宋健会長は、代表団の訪問をきわめて重視していると述べた。

 代表団は、中国国際交流協会を表敬訪問し、何連生副総幹事と意見を交換、また遼寧省人民政府劉克田副省長と会見した。さらに中国棋院の王汝南副院長及び中国武術協会の李雅佩秘書長助理を表敬訪問した。代表団はまた、九・一八事変(柳条湖事件)歴史博物棺、平頂山殉難同胞遺骨館、撫順戦犯管理所、遼寧省歴史資料棺(档案館)を見学した。

二.中日友好協会との会談では、伊藤敬一団長が招待に感謝の意を表明し、戦前・戦後の反戦運動の伝統を引き継いで創立された協会の原点と、「日中両国民の相互理解と友好を通じて、アジアと世界の平和に貢献する」という協会の目的を紹介し、21世紀の両国民間の友好交流の前進の重要性について述べた。

 また伊藤団長は、中国の「文化大革命」以来、両協会間の断絶状態が続いていたが、1999年の会談で中国側から、かつて「文化大革命」期に内部問題相互不干渉の原則と相容れないやり方をとったことについて、真剣な総括と是正を行なったことが言明されたことによって、両協会間の関係が回復したことに喜びを表明。そのうえに立って、日本側の三原則(自主独立・対等平等・内部問題不干渉)、中国側の四原則(独立自主・完全平等・相互等重・内部問題不干渉)を基礎として今後の友好交流を進めることで合意に達したこと、今回の会談はこの合意を踏まえて、日中友好協会と中日友好協会との友好関係を深めることによって、21世紀の日中両国民の友好交流の新しい発展をはかることを目的としたものであるとのべた。

 さらに伊藤団長は、新世紀の日中関係を発展させるうえで「日中関係の五原則」の立場、とりわけ侵略戦争の厳しい反省、「一つの中国」の立場の堅持の二項目が重要であると指摘。当面する情勢のもとで、新ガイドラインとその国内法の発動阻止の必要性と、その具体化である「中期防衛力整備計画」や有事立法の法制化の危険性を強調した。また、かつての日本の侵略戦争や南京大虐殺の事実を否定する「新しい歴史教科書をつくる会」を中心にした策動、「大東亜戦争が東アジアの独立を助けた」などの現職政治家の暴言、石原東京都知事の相次ぐ中国非難発言など、侵略戦争を合理化し美化する日本国内の動きを厳しく批判した。そして協会が、これらの問題に反対する運動を全国各地で展開していることを紹介した。

 中日友好協会の陳永昌副会長は、代表団の訪問と交流再開が新世紀にふさわしいものであり、心から歓迎すると述べたあと、開会中の全国人民代表大会の特徴を説明した。
 陳副会長はまた、1960年代の中国封じ込め政策の時期における協会の友好交流発展への努力を評価、来年の日中国交回復30周年を目前にして、日中関係は全体として平和的に発展しているが、最近の「教科書検定問題」は、歴史を歪曲するものであり、軽くみることはできないと厳しく指摘した。さらに、台湾問題も一層重視する必要があると述べた。そして日中友好協会がすすめている「草の根の友好交流」を今後大きく発展させていくことが大切であると述べた。

 両協会の代表は、互いに提起した諸問題について幅広く意見を交換し、相互の理解を深めることが出来、会談は有意義なものとなった。会談では、長尾光之副団長が、昨年創立50周年を迎えた日中友好協会のあゆみを紹介し、中日友好協会の呉瑞鈞秘書長が同協会の歴史と活動を説明した。

三.会談では、今後の友好交流の具体的な内容について話し合い、次の諸点を確認した。

 (1)日中友好協会主催の、九・一八(柳条湖事件)70周年記念・平和の旅(9月・瀋陽)、平和のための戦争展への中国所蔵の資料の貸し出し、日中友好アマチュア囲碁対局の旅(9月・中国棟院)、中国語受講生の短期・長期留学の斡旋と紹介を行なう。また、今後の課題として、中国太極拳指導者の招請、中国剪紙・日本のきりえの相互交流、書道交流、歴史・文化などの研究活動交流、若い世代の友好交流、各種観光ツアーの協力などに努力する。

 (2)両協会は、今後必要に応じ定期的な協義をおこなうとともに、日中友好協会発行の、「日中友好新聞」、『季刊中国』と中日友好協会発行の刊行物の相互交換をおこなうこととした。

四.この会談には、日中友好協会代表団から、伊藤敬一団長(本部会長)、長尾光之副団長(本部理事長)、大田宣也事務局長(本部事務局長)、丸山至事務局次長(本部常任理事)団員橋爪利次和歌山県連会長、大橋満男愛知県連事務局長、三戸眞治広島県連事務局長、渡辺襄宮城県連事務局長、染谷三郎東京都連理事長、、通訳布川雅章の各氏が参加した。
 中日友好協会から、陳永昌副会長、呉瑞鈞秘書長、李鉄民・許金平副秘書長、劉子敬交流部長、王秀雲経済・都市交流部長、関立政治交流部長、陳兆華理事、友好交流郎董振華の各氏が参加した。

2001年3月17日
日中友好協会代表団

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