日中友好協会(日本中国友好協会)

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公式見解

「公安調査庁内部文書」に関する朝日新聞報道について

 2月5日付朝日新聞朝刊は、公安調査庁の「内部文書」について報道し、そのなかで日中友好協会の名をあげ、あたかも協会関係者がこれにかかわっていたかのように報じました。協会にとっては、大変な迷惑であり黙視することができません。協会は、次の見解を発表しました。

「公安調査庁内部文書」に関する朝日新聞報道について

 2月5日付の朝日新聞は、公安調査庁の「内部文書」にもとづいて、同庁が国際交流の市民団体などの内部に「協力者」をつくり、月額10万円から50万円の「報償費」を支払っていたなどと報道し、その団体のなかに日中友好協会の名をあげています。報道によれば、この文書は、同庁調査第2部の「協力者運営の状況」(1998年9月)などで、同部は「日本赤軍の支援者らのほか、在日外国機関関係者からの情報収集などを担当」しており、その第4部門の日中友好協会、華僑幹部らのなかから6人の「協力者」をつくり、月額平均27万3000円を支払ったなどとしています。

 協会は、もし公安調査庁「内部文書」が示しているこのような事実があったとすれば、それは明らかに諜報(スパイ)活動であり、絶対に許されることではなく、きびしく抗議するものです。そもそも、私たちの日中友好協会は、広範な人々に開かれ公然と活動している民主団体であり、そういう団体を公安調査の対象にしているとすれば、そのこと自体が民主主義を踏みにじるものです。

 協会は、直ちに朝日新聞に対して「真相を明らかにすべきだ。文書の内容を具体的に知らせてほしい」と申し入れましたが、新聞社側は「報道機密に関することで公表できない」と拒否しました。

 今回の朝日新聞の報道内容とまったく同じ内容の「内部文書」は、すでに、元国家公安調査局職員吉見太郎氏らの共著『お笑い公安調査庁』 (1998年8月・現代書館発行)で紹介されています。しかし、そこでは、「この文書は決定的にオカシイ。なぜなら、分析専門の本庁調査部では、運営している協力者(スパイ)など存在しないからだ。それは、現場、関東公安調査局の仕事だからだ。ということは、これは完全なウソッパチの内容なのだ」と指摘されています。

 そして「事実、毎年会計検査の時期になるとニセの領収書を書くのに本庁職員が総動員されている。筆跡を違えて、会計検査院の目を誤魔化すためである」と述べて「報償費」が「遊興責」など他の目的に使われていると指摘しています(同書第9章・裏ガネ調査費使い放題のギョウテン出張実態・170〜173頁)。

 もしこれが事実なら、いま批判されている外務省の機密費問題と同様に、由々しき問題です。
 朝日新聞が、同書で指摘されている事実の真偽を確認もしないで記事を書いたとすれば、同紙の見識がきびしく問われます。もし確認したのなら、その結果を明らかにすべきです。

 日中友好協会は、朝日新聞に対して、わが協会にかかわる重大な内容を含む今回の「内部文書」公開と、誠意ある見解表明をつよく求めるものです。

2001年2月6日
日本中国友好協会(会長=伊藤敬一)

 

朝日新聞社に申し入れ

 日中友好協会大田宣也事務局長は2月9日午後、長塚英雄日本ユーラシア協会事務局長とともに朝日新聞社を訪れ、斉藤悦也広報室副室長と会い、(1)公安調査庁「内部文書」について、事実を確かめて報道したのか(2)資料を公表すべきだ、と申し入れました。
 これに対し、斉藤氏は「担当した記者は、機密責問題を取材する過程でこの資料を入手したものと思う」と述べるとともに、申し入れの2点については回答を検討すると答えました。

(「日中友好新聞」2001年2月25日付より転載)

協会の反論を朝日新聞が報道

 先の「公安調査庁」報道に関する日中友好協会の申し入れに対して、朝日新聞は、二月二十日の朝刊で、協会の折議と反論を次のように報道しました。…文書に名前が出てきた日本ユーラシア協会と日中友好協会の責任者は十九日までに、『そうした協力者は存在しないし、冷戦後の現在、平和交流の市民団体を監視対象にしていること自体、異常で公安庁に抗議する』との見解を明らかにした」と。
 また、斉藤悦也広報副室長は「資料の公開は、報道の原則としてできない」と改めて答えました。
(「日中友好新聞」2001年3月5日付より転載)

 

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