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[抗議声明]
岸田首相による靖国神社への真榊奉納と
閣僚らの参拝に抗議する

 靖国神社の秋季例大祭にあたり、岸田文雄首相は「内閣総理大臣」の肩書で靖国神社に真榊を奉納し、西村康稔経済産業相、高市早苗経済安全保障相、新藤義孝経済再生相の3閣僚と超党派の国会議員96人が参拝した。
靖国神社は日本軍国主義のアジア太平洋への侵略戦争に国民を動員する役割をはたし、侵略戦争を推し進めたA級戦犯を合祀し、今もなお侵略戦争を美化・正当化し宣伝する施設となっている。この靖国神社への供物の奉納や参拝は、政教分離を定めた憲法に違反する行為であり、日本国民を代表する政治家が、国際社会が共有する歴史認識に真っ向から対立する誤った歴史観を持っていることを内外に示す結果となっている。
 高市経済安全保障相は参拝後に、「国策に殉じた方の御霊に尊崇の念を持って感謝の誠をささげた」と述べたが、合祀されているA級戦犯にも「感謝の誠をささげた」と理解せざるを得ないことから、戦争の反省と日本の侵略の犠牲となった数多のアジア諸国民に対する哀悼の気持ちは一切感じられない。また、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の逢沢一郎副会長は「悲惨な戦争の記録や記憶を風化させてしまうようなことが決してあってはらない」「平和の尊さを次の世代にしっかりと語り継いでいくことが私たちの使命だ」と述べたが、そうであれば、言語に絶する惨禍を与えたアジア諸国民の被害と日本軍国主義の加害責任にしっかりと向き合うとともに、原爆、空襲、沖縄戦、満蒙開拓団、治安維持法弾圧犠牲者をはじめ、犠牲となった無辜の国民の体験を後世に語り伝えるために、平和教育にこそ力を注ぐべきである。
 日本中国友好協会は、侵略戦争の美化・正当化と宣伝につながる靖国神社への真榊の奉納と参拝に強く抗議するとともに、国際社会が共有する歴史認識を重視し、締結45周年の節目を迎えた日中平和友好条約の精神のもとに、歴史に学び、アジアと世界の平和と安定のために平和国家としての役割を果たすことを日本政府に強く求めるものである。

2023年10月19日
 日本中国友好協会




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