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HOME > 私と中国 > 2014年7月25日号

私と中国〈894〉

写真家
佐藤憲一さん

 

草の根′流を自ら実践

 佐藤憲一さんが初めて中国へ渡ったのは大学卒業後。ユーラシア大陸を横断する旅で中国各地を回った。その後「地球の歩き方」の撮影などで全土を訪れている。
 貴州省の増衝村(ぞうしょうむら)には99年から13年まで5回、撮影に訪れた。釘を1本も使わないで建てるトン族の鼓楼、その最古のものが建つ村だが、外国人はほとんど来ない。
 警戒心をどのように解こうかと考えたが、田んぼの手伝いなどをしながら一般の民家に滞在、村の棟梁宅での宴会で自家製焼酎に酔って川に落ちたり、煙草を持参してコミュニケーションをとる中で、すぐに打ち解けたという。
 一番嬉しかったのは、自分が受け入れられたと感じた時。村で結婚して残ればいい、と言われた時だそうだ。13年に8年ぶりに再訪した時には、前回はなかったシャワーを、遠くから部品を調達して作ってくれていた。
 増衝村の魅力を、「『人』と、そして、日本人が失くしてしまったもの。それを写真に残しておきたい」と答える佐藤さん。しかし、変化もある。女の子たちの民族衣装がTシャツになってしまっていたり、大部屋が主だった家の造りが個室化していたり。
 「個室は心に垣根を作る。彼らの心まではまだ変化していないが、昔自分たちが来た道を通っているのかもしれない」
 当面の目標は増衝村の写真集を出すこと。尖閣諸島の問題が起きてからは、中国関係の仕事が半減したという佐藤さんだが、「政治的にはしばらく難しいだろうから、草の根でやるしかない」と述べ、厳しい状況を語りながらも力まず自然な口調は、政治に動かされない佐藤さんの交流の強さを感じた。
(浦辺)

前列右が佐藤さん


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