日中友好協会(日本中国友好協会)

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HOME > 私と日本 > 2017年3月5日号

私と日本〈118〉

 

中国人きりえ作家で
東京工芸大学生


王 旭 さん

 

両国の人にきりえ教えたい

 

 昨年、第39回日本きりえ美術展に初参加。「雷・風」と「色即是空」の2作品を出品しました。
 作品の特徴は、2対で1作品。黒と白の2色で表現し、A4コピー用紙で製作。「黒と白は陰と陽の世界。ともに強い色。テーマは身近でシンプルなものが多い」と語ります。
 カッターや、はさみを一切使わず、下書きなしで左の親指の爪をガイドに、右親指の爪で紙をすべらせ紙を切っていく。作品の輪郭をよく見ると、少しギザギザになっているのが分かります。
「折り跡を残さずに切るのは難しい。紙の切りやすい角度を瞬時に判断する。爪は、身体の一部。感じてくれる爪は自由自在」。インタビュー中、あっという間に、かわいらしいイルカとウサギを爪で切り抜きました。
 きりえは3歳から。爪で紙を切って遊んでいたとき「簡単に再現できることを発見してこれはすごい!」と感動。以来、製作した作品は300点以上にのぼります。
「原始的で単純なきりえを製作し続けたい。自分の展示会を開いてみたい。日中両国の人たちにきりえを教えてみたい」と積極的です。
 日本へは20歳のとき留学。日本の侍、とくに自分の意思を貫く北条氏政に憧れ、高知県にある明徳義塾高等学校の日本語科に編入しました。当時の寮生活は「侍以上に厳しく、下剋上ばかり考えていた。でも、それを乗り越えて今がある」と笑います。
 現在、東京工芸大学芸術学部インタラクティブメディア学科4年生に在籍。就職活動のかたわら、中国の友人と中国人留学生のサポート会社を立ち上げようと準備中。
 1991年生まれ、山東省済南市出身の26歳。日本きりえ協会会員。


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