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HOME > 私と日本 > 2015年9月5日号

私と日本〈105〉

 

人民大学教授


梁 鴻 (リャンホン) さん

 

故郷の人びとの生きざま通し農村問題を提起

 

 故郷の農村の姿を通じて中国の農村が直面する問題を取り上げた『中国在梁荘』(2010年)は中国で大反響を呼び、人民文学賞を受賞したほか、各メディアの十大良書にも選ばれた。13年にはその続編『出梁荘記』を出版するなど、今注目の作家。
 中国での評判は海を越え日本にも。7月には札幌・孔子学院と東京・早稲田大学からの講演依頼に応えて初来日が実現。「『私の故郷梁荘そして中国』『文学が如何にして現実に立ち帰るか』をテーマに講演し、日本の学生たちと交流して意見交換もできた」と、にっこり。
 「紅楼夢」で文学の素晴らしさを知った少女は、北京師範大学に進学し、学者の道に。専門は郷土文学と文化との関係。しかし、「学者としてアカデミックな世界にこもっていたと内省、もっと現実に近づきたい。そう考えていたときに、故郷の農村の生活、農民の人生や、生きざまを具体的に聞き取り、書きたいと思った」と語る。
 故郷の河南省鄭州市の村では、大人は出稼ぎに出てしまい、老人と子どもばかり。村の小学校が統廃合され、村の文化の中心がなくなった。一方で村に戻る大人もいる。一人ひとりの人生の良き選択が未来の希望だと梁鴻さんは言う。
 「農村問題は核心的問題。解決策がなければ中国社会はうまくいかない。これらの本が政治的解決のための一つの資料になってほしい。研究テーマに向き合える研究者、文学の視点と責任を併せもった作家になりたい」。  10歳の一人息子には「心身ともに健康で社会と協調できる人間になってほしい」と、やさしい母親の顔に。『中国在梁荘』は現在、日本語に翻訳中。1973年生まれ。

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