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HOME > 日中友好新聞 > 2017年2月25日号

日中友好新聞

願いは平和、豊年満作、家内安全
一気に華やぐ長崎春節祭
萩谷瑞夫


 

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今年のメーンは高さ約10㍍もある翼を広げた鳳凰のオブジェ





 街中を紅色に染める冬の風物詩「長崎ランタンフェスティバル」が、1月27日大みそかの前夜祭に続く春節から元宵節の2月11日まで開かれました。



94万人のにぎわい



 長崎新地中華街にある湊公園がメーン会場で、ほかの眼鏡橋中央公園など6会場を結ぶ街頭には、約1万5000個の中国提灯が毎夕5時から点灯し各会場でイベントが開かれます。
 市などでつくる実行委員会は、今年初の試みで参加者みんなの掛け声で点・消灯するイベントや土日の点灯時間の延長、4年ぶり前夜祭での団子入りぜんざいサービス等の嗜好を凝らし集客は94万人。
 初日から中国の大型観光船が入港するなど、出足は良好。大小さまざまのオブジェのなかで今年のメーンは、干支に因む高さ約10㍍もある翼を広げた鳳凰。その下に鶏や鶴など縁起の良い鳥が並ぶ「百鳥」(パイニャオ)の前には人垣ができ、ポーズをとる人もいました。
 期間中の土曜日には皇帝パレード、日曜日には媽祖行列。これは清朝時代の正月、皇帝・皇后が街に繰り出し新年を民衆と祝った故事。今年の皇帝は俳優・武田鉄矢さん(2月4日)とプロ野球選手・川﨑宗則さん(11日)が務めました。
 一方、江戸時代、無事入港した乗組員が航海安全の神・媽祖様を唐寺などに安置するまでを再現したものが媽祖行列です。
 その他、各会場で中国雑技や国家一級秘密の変面ショー、五穀豊穣を祈る龍踊り、二胡演奏、中国獅子舞などがステージイベントとなり、温かい光のなかで中国文化を堪能できました。



長崎支部は太極拳出演

 2月3日節分、長崎支部太極拳教室有志42人は、唐人屋敷会場のイベントに参加し24式、太極扇、太極剣の国技を披露しフェスタの成功に寄与しました。和らぐ陽光の下、一糸乱れぬ熱演に見物席からは称賛の拍手。
 出演した桜馬場教室の皆さんの感想を紹介します。
 「協会普及40周年交流会出場のために練習したことが役立った。人前での表演の機会が増えると楽しさも膨らんで嬉しい」
 「人に見てもらう目標があると、少しでもきれいに正確にと意識ができて日々の練習に身が入り達成感がある」
 「昨年の表演より集団の動きがそろい、演技力が増していたように思う」
 「初日が雨にぬれ、中日が強風にあおられての団技、最終日は媽祖様に見守られてこの上ない上天気、良い思い出になって良かった」


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長崎支部太極拳教室有志42人の表演



由来は華僑の行事

 「長崎ランタンフェスティバル」の由来は、もともと新地中華街・華僑の人たちが街の振興と募る望郷に最も大切な旧正月春節を仲間と祝う行事といいます。それから04年に市を挙げて開いた「長崎旅博・さるく博」を契機に規模を広げ、今日に至ったようです。
 市の観光課は、今年は24回目、当初、集客15万人からのスタートが、94万人に。将来は100万人を超えるイベントに成長させたいと話しています。
 また、フェスタの最終日、旧暦1月15日の元宵節については中国で天の精霊が空を飛ぶのが見られると信じられており、多少の雲があっても精霊を見つけやすいようにと灯篭をともし丸い団子を食べて天を仰ぐ風習があるそうです。この元宵団子が家族のだんらんと幸福願望を象徴し、元宵節には欠かせない食べ物になっています。



中国よりも中国らしい

 昨年、離任し帰国した李文亮駐長崎前総領事は、長崎を評して「中国よりも中国らしい風習・行事が残る街。世界中どこにもない」とよく話していました。  長崎の祭りを振り返ると、4月のペーロンドラゴンレース、5月の凧(はた)あげ、8月精霊流し、10月長崎くんちで空を舞う龍踊りなど日本と中国両国の文化が溶け合った友好の暮らしが見える街です。  灯会是代表長崎的大典  長崎の祭りを「さるく」(まちをぶらぶら歩くという意)してみませんか。



(長崎県連合会事務局長)








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