日中友好協会(日本中国友好協会)

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HOME > 日中友好新聞 > 2014年9月25日号

日中友好新聞

日中友好の輪広げる
  留学生との固い絆

行政・住民から深い信頼
東京・荒川支部

 

荒川区で活躍する中国人留学生たち(前列右端が渡辺さん)

 

 

日本に在住する中国人留学生は約10万人といわれている。その留学生との交流を軸にして中国に関わる要求や問題解決の相談に乗り、行政そして住民から深い信頼を集めている支部がある。東京下町の荒川区(人口約21万人)の日中友好協会荒川支部である。



留学生が中国人児童の語学指導


7月21日の東京都連大会で中国人留学生喩洋さん(武蔵野大学生)が「荒川区在住の中国人の小学生の授業に、週何日か同席し通訳などを手伝っている」と発言し注目された。荒川区には、日本で働き、あるいは永住する中国人が約6000人いる。日本語の話せない子どもがほとんどだ。
 その子らが通う小学校のひとつ尾久西小学校では「日本語が話せない中国人児童にどう対処するか」が大きな課題であった。思い余って教育委員会に相談を持ちかけた。区役所は「日中友好協会の力を借りよう」と決めた。
 これが契機となって、いまでは「海外からの留学生派遣事業」(別記)が区の方針になった。手当も予算化されている。現在まで50数人の先輩留学生が支援に参加し、子どもたちを支えてきた。
 喩洋さんや同じく赤土小学校で日本語指導をする蔡妍玉さん(立教大学)は「授業以外にも個別に日本の習慣などを教えています。語学習得のためにも必要なのですよ。親御さんや他の父兄にも喜ばれています」と、晴れやかな表情で話す。

留学生の蔡さん(左)と喩さん

 

 

 

長い活動の伏線のうえに

 

 日中友好協会への信頼形成には長い貴重な伏線がある。2004年、教員を退職した渡辺定子さん(支部役員)が天津市外国語大学(日本語学部2000人)の日本語教師として赴任、教え子の日本留学を手助けしてきた。
 留学先は東京大学・早稲田大学・武蔵野大学・杏林大学・愛知淑徳大学・城西国際大学・北陸大学・立教大学・北海道教育大学・関西外語大学など多数だ。
 これが縁となって、天津市の学校と荒川区の小学校との交流が始まり、李運博天津外国語大学教授(天津市国際交流協会)をはじめ多くの中国人関係者も同行、荒川区も区長・教育長を先頭に歓迎会に参加するなど活発な交流を重ねてきた。
 2007年から始めた「語学指導」の皮切りの2年間は渡辺さん本人が勤めた。その後、留学生に引き継がれ日本社会での生きがいのひとつにもなっている。
 渡辺さんは「この語学指導の経歴も評価されて日本企業に就職し、立派に働いている元留学生もたくさんいます」とやさしい笑顔を見せてくれた。



将来の日中関係に貢献


 支部は、留学生と分け隔てなく付き合い、協会の活動にもできるだけ参加してもらっている。区民との交流、2月新春(春節)の集い、サクランボ狩り、中国ツアーなどにも留学生が誘い合ってたくさん参加。
 なかには「日中友好新聞の発送」を手伝ってくれる学生もいる。支部がこれまでに接した留学生数は200人を超える。
 山田当治支部長は「留学生の日本滞在期間は長くはないが、この貴重な体験は当面の日中関係改善にも役立つし、何よりも将来の日中関係の発展に大きな貢献をしてくれるものと期待している」と、力強く締めくくってくれた。(宣)

 

 

 

荒川区「海外からの留学生派遣」事業実施要項(要点)

 

@区立小中学校に海外からの留学生を日本語の初期指導者として派遣する事業を実施する。

 

A来日後の外国人児童・生徒に対する、日本語初期指導を充実させ、学校生活や学習にスムーズに対応できるよう支援する。

 

B留学生は、荒川区教育委員会と連携する「日中友好協会」から推薦があり、実施校の指導に従えるものとする。

 

C教育委員会は、留学生を派遣する日中友好協会及び実施校と綿密な連携を図り、留学生派遣事業の適正な運営に努めるものとする。

 

 



 

 

 


 


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