日中友好協会(日本中国友好協会)

日本中国友好協会
〒101-0065
東京都千代田区西神田2-4-1 東方学会ビル3F
Tel:03(3234)4700
Fax:03(3234)4703
HOME > 公式見解 > 日本中国友好協会、教科書検定合格に抗議

公式見解

日本中国友好協会、教科書検定合格に抗議

侵略戦争肯定・美化の本質変わらず

 文部科学省が「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史教科書を検定合格させました。部分的に修正が加えられたとはいえ、その基本はまったく変わっていません。報道された内容をみると、日本の侵略戦争を「大東亜戦争」と呼び、「日本の戦争目的は、自存自循とアジアを欧米の支配から解放し、大東亜共栄圏」を建設することであると宣言した」「日本軍の南方進出は、アジア諸国が独立を早める一つのきっかけともなった」などと記述し、「自衛とアジア解放の戦争であった」と侵略戦争を美化、植民地支配を合理化しています。また従軍慰安婦の記述はなく、南京大虐殺についても「さまざまな見解がぁり、今日でも論争が続いている」としています。さらに神話復活、戦前の教育勅語、天皇中心の政治体制を評価しています。協会は、「つくる会」の歴史教科書は、侵略戦争を肯定・美化を基本にした重大な問題を持つものとして厳しく指摘してきましたが、改めて、今回の検定合格に厳しく抗義します。

中国など、アジア諸国厳しく批判

 中国、韓国をはじめアジア韓国から厳しい批判が巻き起こっているのは当然のことです。中国外務省は日本政府に対し「侵略戦争の性質をあいまいにすることに工夫をこらし、日本軍国主義がアジア各国の人民にもたらした重大な災難にまったく反省しないばかりか、当時日本軍が犯した侵略の残虐行為を美化し、あれこれ逃れようとしている」と「強い憤慨と不満」を表明、中国新華社も、日本政府の責任を厳しくただしています。

採択させない世論を高めること

 検定合格されたあと重要なことは、学校現場に持ち込ませない運動を強め、七月に行なわれる採択を許さない国民世論を高めることです。大江健三郎氏など歴史・教育学者などの批判声明、教職員労働組合、子供を守る全国ネットなどや民主団体の運動など、これに反対する動きが急速に広がっています。協会は、「日本政府の侵略戦争への真剣な反省と責任の明確化」を一貫して追及してきました。「平和めための戦争展」など各地で展開する不再戦・平和活動と結んで、「採択許さず」の運動と世論を高めるために努力するものです。

2001年4月4日
日本中国友好協会

[一覧に戻る]